Beautiful country

醜い。世の中が嫌になったのならひとりでしんだらいいのに。誰にも知られず、ひっそりと、たったひとりでしずかにしんだらよかったのに。醜い。ここだけの話我が隣人はほぼ毎週末セックスに励んでいるようで夜から時には明け方にかけて薄い壁越しに喘ぎ声が聞こえて来る。音楽をかけていると音の隙間を縫うようにその喘ぎ声は絡み付いて来る、だからわたしが毎週末デッキに乗せるコンパクト・ディスクは自ずから決まって来る/なんて世の中が特に好きなわけでも嫌いなわけでもなく益々わからない。もうなにもわからない。わかるはずもない。なにかを「わかる」ことなどけっしてありはしない。